2011年12月20日火曜日

惑わされてはならない。福島第一原発のメルトダウンの原因は物理的破壊による圧力容器の破損により水がたまらなかったためであり、水がたまらないところに万が一冷却水が流れ込んでいてもその冷却水も流れ出しすぐに干上がり空焚き状態でメルトダウンはいずれにしても起きていたはず。したがって「地震・津波による電源喪失」により冷却水を流し込めなかったことはメルトダウンの原因とは関係ない。「冷却」水流し込めていてもメルトダウンは起きていた。圧力容器にひびが入り破損していれば冷たい水であろうとたまらないことに変わらない。そのことは配管は損で蒸気から作った冷却水を破損配管から床にぼとぼと流し込んだ復水器を手動解除していたとしても同じだった。

論点ずらしに負けてはならない。
圧力容器は、物理的に破損され、水はたまらない状態にあった。
したがって、水のたまらない底抜け圧力容器に冷たい水を入れようがぬるい水を入れようが代わりはないということにきづくべきだ:

ここのところ復水器の手動による開放があればというなんだかずれた議論がまかり通っている。おそらくあたかも原発は原発作業員が気をつけていればメルトダウンは起きないかのような機械であると思わせたいのだろう。が、残念ながらその[分析」は根本から事実にそぐわない。
なぜなら、福島第一原発の事故は、圧力容器に水がたまらないから起きたからである。
あらゆるその後の全ての事実が示すように(どれだけ放水車で水をいれてもメルトダウンはとまらず完全にそこが抜けているのか、それは、当初から圧力容器に地震の物理的な力により、ひびや損壊があり、その結果、いくら水が冷たかろうとなんだろうと、たまらなかった、たまらない状況、たまっている水が冷えない状況ではなく、たまっていた水がどんどん流れ出ていた状況、しか、
あの全ての作業の結果をせせら笑うような、
圧力容器内の温度上昇、
そして、圧力容器の中のメルトダウンがおき、
結果として発生した物質が原子力発電器を格納する格納屋内に充満しその関係でおきた数度の水素爆発。
電源回復後給水ポンプからどんなにがんばって給水しても圧力容器の中にたまらない水、下がらない圧力容器の温度。

全ては、圧力容器のかなり初期からの地震による物理的破損を示すものだ。
それ以外論理的に考えられない。

つまり、何度も申し上げたとおり、
1.津波に強い冷却水の電源系の補強や予備電源装置の補強
は、原発の具体的危険性をなくす対策として全く意味を成さない。
なぜなら、圧力容器内の水が物理的に地震などで破損破壊されてしまえばメルトダウンは何をどうしようと防ぎようがない。
つまり、日本全国で「検討」されている「原発安全対策」は全く無駄である。
原発に安全対策など意味はないというか全くの嘘でしかないといい続けるのはそのためである。
圧力容器は「壊れない」といわれてきた。
が、実際に壊れた。
そのことを隠すのはやめてほしい。

そして、圧力容器は壊れたのだ、ということを、東京電力の報告書は認めていた。
そして問題は、その原因、つまり、地震で破壊されたのか、津波で破壊されたのか、という議論だったはずだ(既にこのことは書いた)。

しかし、実際のところ、日本の原発は全て海沿いにある。その海沿いの立地をいかして冷却水の水源を取るためである。
したがって、地震の物理的要因、あるいは、津波の物理的要因、どちらの物理的力によってであるにしても、
日本の原発は地震にも津波にも破壊される場所に建設されていることから、
いずれの原発も、極めてメルトダウンに近い存在にあるということは確かなのだ。
事実、今回の福島第一原発1-4号機は、地震か津波かのどちらかの物理的力により、
圧力容器が破壊された。

つまり、圧力容器が破壊され、結果、従来の冷却水がもれてメルトダウンを起こしたというのが事実であり、
なんどもいうが、その水が冷却されていようといまいと、圧力容器の中にたまらないものはたまらない状態だったのだから、
補助電源により水を冷却できたかどうかという論点は無駄だ。

つまり、日本中の原発はその圧力容器をなんらかのかたちで物理的に破壊されてしまえばそれだけで3時間後にメルトダウンを起こし、終わる。

そのくらい危険な存在が原発の事実だということを認識すべきだ。
そしてその危険は今も同じだ。
したがって、全原発を停止することの意義がどれぐらい重要かがそのことでお分かりかと思う。

停止していれば、すくなくとも、核反応は起きていない。
核反応が起きていない状態ならば、圧力容器に物理的破壊が起きて水がたまらない空焚き状態になっても、
メルトダウンという状態にはならないからだ。
そこで、とにかくなにがなんでも、全原発を停止する必要がある。
もちろん、福島第一原発5・6号機であっても同じことだ。


復水器も壊れていたのに、いまさら、手動であけていたらとの議論は意図的な論点ずらしか原発があたかも安全であるかの印象を与えるためのペテンだ:


厳密に言えば、圧力容器だけでなく、復水器(そのものの一部?)の配管も破壊されていたことが後からわかった。
それは、各原子炉の屋内の床に高濃度放射性水がたまるのを止められないことが発見されたことから解ったことだ。
各原子炉内の床にたまった高濃度放射性水のもとをたどってみると、
地震により破壊された可能性が高い復水器の配管の中にたまった放射性物質を高濃度に含む圧力容器内からの蒸気が、冷やされて冷却水として機能する代わりに、自動で止まったままでいたために、その高濃度放射性蒸気が、配管の中で冷やされて水となり、
地震では損した圧力容器と復水器をつなぐ復水器配管から床へどぼどぼもれていた事実が発見されたからだ。

そして、今回の大騒ぎの論点ずらし、復水器を手動であけていればという話がどれだけずれているかがわかる。

復水器が自動的に止まるのはまさに放射性物質を濃厚に含む蒸気がもれる危険を防ぐためであり、
その後復水器の途中の配管の破損により床に蒸気が冷却された高濃度放射性水がたまり処理に困ったのは記憶に新しい。
つまり復水器を主導で開けるというのは事実上冷却の可能性をみちびかずかえって危険をさらに拡大した恐れがある。

この点、東電の言い分は正しいといえる。

が、問題は、事故の対応策に、マニュアル主義があり、
今起きていること事態に対する論理的な分析と必要な対応を行う迅速な判断があれば、
そもそも、早期の段階で、液体窒素による圧力容器そのものの冷却などが行えたのではないかという分析ならありえるだろう。

原発「安全」対策は事実上ないのにあるかのように思わせるあの手この手はもうやめて

圧力容器は地震による破損があった可能性が濃厚なのに、冷却水を復水系で送ろうとしたところでたまらなかったのでメルトダウンは防げなかった。のに、復水器を手動でひらかなかったことにメルトダウンの原因を求めようとするのは、意図的に?メルトダウンの状況原因を圧力容器の具体的破損(があったため水が流れて干上がったためおきたのが原因だ)であるにもかかわらず、あたかも冷却水を流し込んでいればメルトダウンを防げたかのような、つまり原発の持つ物理的な破壊に対する脆弱さを根本的な危険を冷却水の問題に非論理的にぶらす、日本の全原発のもつ具体的現在の危険に目をそらさせようとする意図的なずらし?の「議論」にすぎない。惑わされてはいけない。

原発は物理的力でただちに3時間メルトダウンに陥る。
とくに地震帯だらけ活断層だらけの日本では、まず地震の破壊力で圧力容器が壊れるの妥当事実に直面する必要がある。
また、地震の物理的破壊力だけでなくさらに、海沿いにしかない日本の原発はそこにさらに津波による物理的破壊力が加わる。
そして、何度もいうが、物理的破壊で圧力容器が壊れ、水がたまらないからメルトダウンが起きるのであり、
冷却水を流し込めるかどうかは関係ない。何度もいうが、たまらない底抜けの容器に冷たい水を入れようがぬるい水を入れようがたまらないのだから同じことだからだ。

したがって、冷却水電源の予備についてだけ備えることを目標にしている原発「安全対策」はほとんど何の意味も持たないし、原発を安全にはしないのだ。

さらに、地震の破壊力だけでも圧力容器は破壊される蓋然性があり、実際今回の場合地震による破壊であった可能性も高いという東電の報告書は述べていた。
つまり津波から「守る」ための防波堤の建設もまた原発を安全にしない。原発事故の予防に何の意味も持たない。
しかも、今回の津波が海岸線から45キロメートル先で39メートル以上の高さであったことを考え合わせると、
ますます、防波堤の建設は無駄でしかない。

したがって、どの原発も「安全対策」などない。
つまり、全てが原発というだけで大変に危険な存在なのだ。
たった今も。
だかこそ、今すぐ、すべてとめなければいけない。
そして全て廃炉決定をし、すべての原発および再処理施設の廃止閉鎖をすすめなければ日本の経済産業農業酪農漁業人権の安定安全は根底からすぐ崩れてしまうだろう。
しかも、30年以上先まで三陸地震後の日本は活発な活動に入った地震帯でいっぱいだ。

いますぐ、すべての原発を停止するだけでなく、全廃炉を決定するのは、人権環境だけでなく日本の経済産業の安定のため必須だ。
日本が飢餓難民原発難民になってからでは遅い。

底抜けの圧力容器に冷たい水を入れてもぬるい水を入れてもたまらないことに代わりはなくメルトダウンは起きていた。全原発は同じ危機にたった今も。

なんどもいうが、
予備の電源付冷却装置も防波堤も原発を「安全」にすることは永遠にない。
配管破損で配管途中から蒸気から作った高濃度放射性汚染「冷却水」を床にぼとぼとおとしただけの
復水器が、もしも手動で停止解除されていたら、
配管箇所からもっと大量の高濃度放射性水を垂れ流し、海水へと放出しなければならなかったあるいは地下汚染の原因になった放射性物質の量はもっと大量となっただけで、もっと恐ろしい結果となっていただろう。

なのに、もしも復水器の自動停止閉鎖を手動解除していればという「議論」は極めて非論理的で無駄であるだけでなく危険だ。
そして、何よりも福島第一原発の事故を全く理解していないだけでなく、
福島第一原発事故の問題、つまり、圧力容器の物理的破損により水がたまらず干上がりすぐにメルトダウンを起こすという危険は、
日本中の全ての原発が持つ現在の危険であり、
事実上打てる「安全」対策が現実的にないという事実を
隠そうとする、事故原因事実をあえて無視した、
極めて巧妙で悪質な「議論」ずらし論点ずらしにすぎない。

いずれにしても圧力容器に冷却水を送り込めないほど配管関連破損がひどかった復水器を含み
「冷却」水装置の電源なども含め、「冷却」水か[冷却」機能電源確保に論点を持ってくる議論は、意図的かどうかはともかく間違っている。圧力容器が破壊されればそれまでであるという今回の福島第一原発のような事故はいつでも起きうるし、その危険を回避する対策がないということがまず原発を全て停止し廃炉決定すべき大きな理由のひとつであることからずれているあるいは意図的にずらすことであたかも原発に「安全」対策が可能であるかのような幻想を抱かせる大きな誤りである。
引っかかってはならない。

あらゆる原発に「安全」対策はない。
その事実を隠そうとする「議論」のようなずらしがたくさんありすぎることに気をつけなければならない。

そしてだからこそ全原発・六ヶ所・東海村再処理施設・もんじゅなど全ての原発施設はたった今すぐにでも止め廃止するべきものであり、たった今すぐにでも恒久停止させ廃炉閉鎖するしかない存在なのだ。