2011年11月20日日曜日

社会保障「改革」のための消費税化は詐欺。格差是正の為の社会保険料率=累進性をなくし事実上のフラット払い込み料化は格差拡大の極めて危険な政策。しかも高額所得者にも朗報といえないかもしれない

民主党はこのままでいくと、大変問題の有る政権政党であるといわざるを得ない。富めるものはより富む、苦しいものはより苦しくなる政権政策なのに、一見すると苦しいものの味方であるかのような、えさで釣ってくる。たとえば日本共産党が長年主張しあのブッシュ政権も取り入れようとした最低年金制度をえさにするが民主税調はすでに最低年金保障制度を先送り案件としている。

現状の、料率で定まる厚生(国民年金でも昨年度年収で決まるし、国民保険料でも収入ゼロの翌年の払い込み額は減額される)年金の払い込み料ということは、事実上累進性を内包している。給料が多いほうが料率に従えば多く払い込み、より余裕のあるものが自然に苦しいもの払えないものを支えている。

が、社会保障「改革」の中身には、これまでもなんどもツィートしてきたようにいくつ物問題点というか矛盾がある。

1.少子化で払い込みが少なくなり一方もらうほうが増える危機を解消
というが、消費税化したところで、年金の基礎となる基金額が増えるとは限らない。
むしろ、安定的な方式は、累進課税に近い現状の料率性で高額所得者から多く集める、
それでたりないならば、少子化が進んでも利益を上げることには代わらない企業の負担額を増やす、
高額所得者への料率上げで累進性を強める、という方式のほうが、安定的に年金基金を運営できる。

2.最低年金保障額をえさにするな
最低年金保障つまり年金の払い込みが少ない人たちあるいはないひとにでも最低年金保障を行うというのは、
長年の日本共産党の政策提案であるだけでなく、世界中でも年金払い込みのできなかったあるいは少ない人たちへの年金政策として指摘支持されてきた制度だ。が、
この最低年金保障制度は、むしろ、累進性の強い払い込みでこそ、支えることのできる制度である。
消費税で徴収するというのは極めて不安定要素が強い方式であり、その上、最低年金保障制度を導入することはかえって難しく、それだけでなく、消費税化とは全く何の論理必然性も持たない。
単純にえさとしてさきにつけているだけであると考えたほうがいい。

3.消費税化=フラット化の先にあるものは?
さて、消費税化の合理性は全くないが、もしも消費税化した場合、年金の払い込み料をたくさん払うのは、物をたくさん購入した人たちということになる。が、高額所得者がかならずしもたくさん払い込むとは限らない。これまでたくさん物を購入したけれど、もう購入せずに、自分で野菜を作りやぎを飼い鶏を飼い暮らしていくという高額所得者もたくさんでてくるかもしれない。が、その人たちが受け取る年金の額はどうなるのか?
ばかばかしいことに、なけなしのお金から消費税を取られ、必死で生きている人たちのお金で集めた年金で、年収1億も有る人たちに、年収に見合った年金を払うという事だって論理的にはありうる。
今なら、料率払い込みの分、実際には、高額所得者は料率に見合って多く払い込んだ分だけ、年金も多くもらっている。が、消費税で払い込む場合、高額所得者も低所得者も受け取り分は全員同じでなければおかしい。
あるいは、低額所得者や無払い込み者に一定保障するということは会っても、年金がなくても生きていける高額所得者に、厚く保障するなど、制度の趣旨を没却するありかたで、あまりにばからしい。ふざけるのはやめてほしい。
料率性のゆるやかな累進制度は、一定の受取額への反映があり、なっとくできるものだ。
一方、もしも逆に高額所得者の受取額も同じであるとするならば、以上に高額の払い込みを行っていても、受取額はまったく増えないという不合理も有る。
バランスよく払い込みが少ないものにも一定のメリットがありかつ料率性の累進性を弱者への目配りとしつつ、一定高額所得者の受取額に累進性の反映がほのかに反映される現状の社会保険制度は安定的に保険基金を集めることにも役立ち、かえるべきではない。

4.既につみたてた分のゆくへも明らかではない。消費税化により国の財政や復興費に消えていく詐欺
既に積み立て分を払い戻すという話もあったがその話は既に消えている。
とるほうばかりつまり消費税で集めるといういんちきだけが先行していて、詐欺まがいの異常な消費税化は、どう考えても納得しがたい。

このような方式がでてくるのは、ではなぜかというと、
ひとつには、企業が年金負担をしたくない、企業の年金負担を減らせば、世界中の企業株式を持つものへの株式配当と役員報酬が増えるということを念頭に置いた、まさに、格差拡大のための狙いがある。
また、一般的に、高額所得者への累進性有る払い込み料を、フラット化することで、高額所得者の年金払い込み負担を減らす、高額所得者優遇政策の面も大きくあるだろう。
しかも、高額所得者が実際上受取額では、高額所得者の所得維持の性質をいじするとすれば、少ない払い込みでたくさんの年金を高額所得者であればあるほど受けられる、という、まったくの詐欺同然のアカラサマな、いんちき、子供手当てと同じく、高額所得者ほど儲かる、停めるものほど詐欺同然の民主党の政策で、より儲かる、得をするという世の中になってしまう。大問題である。

国民は、復興税による法人税減税という詐欺にも頭にきたほうがいいが、
子供手当てと同じく、詐欺まがいの消費税化に、きちんと反対しなければ大変なことになる。